プロが教えるコク旨「アヒージョ」コツは過熱時間と隠し味【プロが教えるおうち イタリアン #8】| kufura [ クフラ ]
東京都千駄ヶ谷にある隠れ家的イタリア料理店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ・小野宗隆さんに、おうちで楽しむイタリア料理を教えてもらう連載企画。
今回は、おうちでも簡単においしく楽しめる「アヒージョ」の作り方を教えてもらいました。ちょっとしたひと手間とコツで、えびがプリプリなお店の味に仕上がりますよ。
加熱時間は約1分。塩もみするとえびがプリプリ食感に!
今回はシンプルな料理だからこそ、おいしく作るのが難しい「アヒージョ」のプロの技を教えてもらいました。アヒージョは「小さなにんにく」という意味で、小野さんいわく「具材をプリッと食べるもの」とのこと。だから、食材にオイルを染みさせるのではなく、オイルをまとわせて食べるものだそう。
「アヒージョは魚介や野菜をオイルでマスキングするイメージです。だから加熱時間は約1分。オイルがとても熱くなっているので、あとは余熱でOKなんです。そうすることで、食材がプリプリの食感に仕上がります。
でも、それだと時間が短すぎて旨味が出にくいのと、にんにくだけではやや旨味が弱いので、隠し味にめんつゆを少量入れるのがポイント。これでグンと旨味が増して、食べ応えのあるアヒージョになりますよ」(以下「」内、小野さん)
まさかの隠し味がめんつゆとは驚き! 早速作り方を見てみましょう。
【材料】(2人分)
むきえび(冷凍)・・・6尾
塩・・・大さじ1、小さじ1
ブロッコリー・・・2房
マッシュルーム・・・4個
にんにく・・・2片
赤唐辛子・・・1本
オリーブオイル・・・100ml
タイム・・・1本
めんつゆ・・・大さじ1
ミニトマト・・・4個
バゲット・・・適量
【作り方】
(1)むきえびを塩もみする
今回は手軽に作れる冷凍のむきえびを使用します。解凍したら、塩(大さじ1)を振ってよくもみこみ、5分置きましょう。今回は冷凍のむきえびを使いましたが、普通のむきえびでもOKです。
(2)野菜を切る
ブロッコリー2房とマッシュルームは、それぞれ縦半分に切ります。にんにくは潰してから粗めのみじん切りにしましょう。
「にんにくは生のものを使った方が風味よく仕上がりますが、なければチューブタイプのにんにくを山盛り小さじ1(にんにく1片分くらい)でも作れます」
(3)むきえびを洗う
5分経ったら流水でえびを洗い、塩を抜きます。塩は軽く洗い流せばOK。
「このひと手間で、えびの余分な水分が抜けてプリッとした食感に仕上がります。触ってみると既にプリプリした感じが伝わってきます」
(4)スキレットに食材を入れる
スキレットににんにく、種を除いた赤唐辛子、マッシュルーム、むきえび、ブロッコリーを入れます。野菜とえびを詰めたらオリーブオイルを入れ、塩(小さじ1)を振ります。
「スキレットがない場合は、18cmほどの小さめのフライパンや小鍋でも作れます」
スキレットは今回15cmのものを使用。スキレットで作ると見た目もお店っぽくオシャレに仕上がります。最近はニトリやイケアなどで手軽に買えるので、1つあると便利ですね!
(5)沸騰したら、弱火で1分加熱する
強火にかけ、タイムを入れ、沸騰するまで強火で煮ます。沸騰したら弱火にして、めんつゆとヘタを取ったミニトマトを入れます。1分煮たら火を止めて、あとは余熱でOK!
「タイムは魚介の臭み取りに効果的。えびをプリッとさせるには1分がベストタイム。ブロッコリーも小さめなので、充分火が通ります。加熱時間が短くても、めんつゆが旨味を補ってくれますよ」
(6)バゲットを添えて、できあがり!
スキレットごと食卓に出し、好みでバゲットを添えたら完成です。熱いので気をつけてくださいね。
ひと口食べてみると、えびがプリップリすぎて感動の一言。隠し味に入れためんつゆのコクが利いていて、旨味がしっかり入り、味がビシッと決まっています。正直、こんなに味が濃くて食べ応えのあるアヒージョは、あまり食べたことがないかも。トマトがプチッと弾けてジューシーで、にんにくオイルが止まらないおいしさ。これはキリッと冷やした白ワインが欲しくなりますね!
「皆さん、おうちで作る時に失敗しがちなのは、加熱しすぎてしまうんです。加熱しすぎると、食材も硬くなってパサパサになり、オイルも濁ってしまいます。そもそもアヒージョはオイルをまとわせて食べるものなので、加熱時間は短くていいから本当はすごく簡単なんですよ。ちなみに具材を増やす場合もオリーブオイルの量は同じ分量でOKです」
小野さんが作るのを見て、私は自分で作るアヒージョは加熱時間が長かったと改めて実感。実際に試してみたところ、プリッとおいしくできて感動しました。そして、なんといっても旨味が濃い! めんつゆが本当にいい仕事をしています。
食材を切って入れるだけでとっても簡単なので、ぜひおうちで試してみてくださいね。次回は「カルパッチョ」について教えてもらいます。
【取材協力】
小野宗隆
軽井沢高原野菜、提携農家の産直有機野菜、無農薬野菜などを中心に使用する洋食店『Bistro Coco 路地裏』のオーナーシェフ。イタリア料理、フランス料理を中心に料理長としてのキャリアを積み上げ、店舗立ち上げやメニュー開発などを多数経験。ソムリエの資格も持つ。kufuraの動画『プロが教える本格パスタレシピ』も人気。
取材・文/岸綾香
えび がプリップリ!コク旨「 アヒージョ 」の隠し味はめんつゆだった!【プロが教えるおうちイタリアン#8】| kufura [ クフラ ]
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