タコス

タコス, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=119933 / CC BY SA 3.0

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タコス

タコスまたはタコ(スペイン語単数形:taco)は、メキシコ料理やテクス・メクス料理、ニューメキシコ料理の軽食である。

メキシコを代表する料理のひとつで、メキシコ人の主食であるトウモロコシのトルティーヤで様々な具を包んで食べる、まさに国民食と言えるものである。”taco”という単語その物が「軽食」を意味する。

タコスを専門とする飲食店をスペイン語でタケリーア(Taquería)という。

石灰水処理したトウモロコシをすりつぶして作る生地(トルティーヤ・マサ)を薄くのばしてコマルや鉄板で焼いたトルティーヤに具を盛り、好みでライムの汁をしぼってかけたり、サルサをかけて食べる。北部メキシコではトウモロコシの代わりに小麦粉のトルティーヤが使われることもある。

具は多岐にわたる。主にカルネ・アサダという牛肉の小さめのサイコロ・ステーキ、カルニータという焼いた(または蒸し焼いた)豚肉を細長く引き裂いた肉などの上に、刻んだ玉葱、シラントロなどが盛られる。牛タンの煮込み、ウシの脳、臓物の塩焼き、ブタの頭、鶏肉、羊肉やヤギ肉、豚肉を薄くスライスしてドネルケバブのように回転させながら焼いたアル・パストール(ドネルケバブ式の調理法はレバノンからの移民がもたらしたものである)、バルバコア、チョリソなど、具の種類は無数に存在する。肉類以外にもエビ、フリホレス・レフリトスやチーズ、キノコ、ノパル(nopal、ウチワサボテンの若い茎節)、カラバシータ(calabacita)というズッキーニに似た瓜の雌花なども使われる。

具の内容には地域色が出ることがあり、例えばバハ・カリフォルニアを起源とするタコス・デ・ペスカード(フィッシュ・タコス)では、白身魚のフライなどが使われ、薬味としてキャベツの千切り、ピコ・デ・ガヨならびにサワークリームまたはシトラス・マヨネーズソースが使われる。カリフォルニアではフィッシュ・タコスがしばしば屋台で販売されており、上にキャベツが乗ってコールスロードレッシングがかかっているのが特徴である。昆虫食の盛んな地域では、昆虫を具にすることもある。

食べる時間帯によって具の内容が変わるとも言われ、例えば朝には鶏卵とジャガイモ、チチャロン(揚げた豚の皮)のサルサ煮込みタコスなどが好まれる。
サルサはチリベースが一般的だが、他にもアボカドを使ったワカモレや、バハ・カリフォルニアではマヨネーズを牛乳でのばしたものなどがある。

フルサービスレストランや家庭内の場合、焼き立てのものを乾燥を防ぐために布でくるんだトルティーヤと具を盛った皿、サルサを入れた器が別々にテーブルに運ばれ、食べる人が自分の好みでトルティーヤに具を挟んで食べることが多い。屋台もしくは簡易タケリーアでは主な具をトルティーヤに載せて提供することが多い。店によってはサラダバー式にさまざまなサルサや薬味を自分で選べるようになっているところもある。前述の刻み玉葱とシラントロ以外では、キュウリのぶつ切りや輪切り、焼きハラペーニョ、焼きネギ(青ネギの一種)、ハツカダイコン、ライムなどが好まれる。

具をトルティーヤで筒状に巻き、具やサルサがこぼれないようにトルティーヤの端を小指などでうまく押さえて食べるのがコツである。

メキシコ中央部と南部では、ブリートをタコ・デ・アリナ(taco de harina、「小麦粉のタコ」)と呼ぶことがある。

現在のアメリカで一般的に「タコス」と称されているものは、1940年代の後半に発明されたハードタコ(Hard taco / Hard-shell tacos)である場合が多い。

ハードタコはトルティーヤをU字型に折り曲げ、のように油で揚げた硬いタコシェル(taco shell)に味をつけて炒めた牛挽肉、レタスの細切り、トマト、おろしチーズを隙間に詰めて食べる。タコシェルは大量生産の既製品が普及しており、アメリカの至るところで食べることができる非常にポピュラーな料理であるが、ピザなどと同様にアメリカ料理のひとつとして定着しているために本場のタコとアメリカ生まれのタコが異なることを認識していないアメリカ人も多い。スーパーマーケットでは、タコシェルと肉用の調味料、サルサをセットにしたタコキットを買うことができる。

また、ハードタコに呼応する形で広まったソフトタコ(soft taco)は、ブリートなどに用いられる小麦粉のトルティーヤ(フラワー・トルティーヤ)にハードタコと同じ具を包んで食べる。北米で…

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